ハープシールオイル MACROBIOS(マクロビオス)

●DHA・EPA・DPAを多く含む
●カナダで研究や食品活用が進められる
●EPAが注目されるきっかけとなったイヌイットの、約6000年前からの主食

シールオイルとは、イヌイットの主食とする「アザラシ」(英名：シール)からとれるオイルのことで、オメガ3系脂肪酸のDHA・EPA、さらには魚にはほんの少ししか含まれない「DPA」が多く含まれています。

カナダでは1940年代、大量捕獲によりアザラシが激減したため、捕獲をコントロールしてきました。
しかし近年では、逆に増えすぎて漁業被害が訴えられているため、カナダ政府監視のもとに制限捕獲が許可され、研究や食品への活用が積極的に進められています。※1

※1参考：2012年カナダ議会ホームページ「アザラシ集団の持続可能な管理：タラとその他魚量の回復への道」に、アザラシの許可制捕獲と第6勧告に「オメガ３が豊富なシールオイルの研究を継続し、食品への可能性を探っていくこと」と記載されています。 https://www.parl.gc.ca/Content/SEN/Committee/411/pofo/dpk/oct12/recommend-e.htm

アラスカ、カナダ、グリーンランドの極寒地に住む「イヌイット」は約6000年前から、アザラシやクジラなどの海獣や魚を主食として、野菜や果実をほとんど食べない食生活を送っています。

にも関わらず、現代人に多い疾患がほとんどなく、 健康で元気に過ごせているのはなぜでしょうか？

隣接するデンマークの博士が4年間、デンマーク人とイヌイットの健康状態を調べたところ、デンマーク人に比べ、イヌイットの血中にはEPA(オメガ3系脂肪酸)が多く、健康的な人の数が多いことを発見しました。

この発表をきっかけに世界中でEPAが注目されるようになり、1960年代後半より、30年以上もの間、EPAの効果に関する医学的な研究データが豊富にとられています。

●オメガ6の多い食品
大豆油、コーン油、ゴマ油、マーガリン、豚レバーなど

●オメガ3(DHA・EPA)の多い食品
サバ、マグロ、イワシ、アジなどの青魚など
＊ハープシールオイルもオメガ3優位の食品です。

オメガ6(n-6)系脂肪酸は植物油や肉に多く含まれる、本来は摂るべき「必須脂肪酸」ですが、オメガ3系脂肪酸とはお互いに生成を抑制しあう関係にあります。

現代人は植物油や肉を中心とした食生活にあるため、オメガ6の多量摂取が心配されていましたが、厚生労働省「食事摂取基準(2010年)」によると、「リノール酸(オメガ6系脂肪酸)の多量摂取により、α‒リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)からのEPAやDHA の生成が抑制される可能性があるが、EPAやDHAを十分に摂取していれば影響は少ないと考えられる。」と述べられています。

2001年のデンマーク人ボランティアによる実験では、シールオイルの摂取により、オメガ6とオメガ3の割合の差が低下したことが確認されています。※1

必須脂肪酸を健康的に働かせるにはバランス良く摂ることが大事なのです。

※1参考：Int. J.Circumpolar Health, 60(1), 25-33(2001)(デンマーク国オルフス大学)

「DPA」は、DHA・EPAと同じくオメガ3系の必須脂肪酸です。
一般的にはあまり知られてはいませんが、イワシやサンマなどの青魚より、アザラシや一部の鯨油に多く含まれている成分です。

DPAは、EPAと同じ「サラサラ」効果が非常に高く、遊走性を高める作用は、EPAの10倍以上もの効果があることが確認されています。※1
この「サラサラ」効果は、寒さや冷えに弱い女性の月経の辛さにも効果が期待できるとも言われています。※2

また、DPAを多く含むシールオイルは、炎症を起こすプロスタグランジンの原料となる「アラキドン酸」を減らす効果が魚油より高いことが確認されています。※3

※1 参考：（Prostaglandins,Leukotrienes and Essential Fatty Acids (1996) 54(5),319-325）「プロスタグランジン、ロイコトリエン及び必須脂肪酸」森田育男 他（東京医科歯科大学）
※2 参考：Bente Deutch（デンマーク）（Nutrition Research（2000）Vol.20 , No.5 , 621-631,）
※3 参考：Lipids,34(2),115-124(1999)(カナダ国ダルハウジー大学　他)、「ハムスターの脂質代謝に及ぼすシールオイルと魚油摂取の影響(中村学園大　他)、Arch. Anim. Nutr.,54,315-327(2001)(スロバキア共和国獣医大学)ほか多数

ハープシールオイルは魚油に比べて、大きな脂肪酸である、いわゆる高度不飽和脂肪酸(EPA、DPA、DHA等)が構造の外側についているので、消化酵素(リパーセ)で分解されやすく、体内へ吸収されやすいという特徴があります。

哺乳類であるため、植物性や魚より人間に馴染みがよいのではないかとも言われています。

※参考：九州大学農学部　池田郁男　助教授「構造脂質の開発と機能性」より

「脳に特に多く存在する」成分で、情報伝達をスムーズにし、はっきり・しっかりした思考や、また精神的なもの、憂鬱な気分にまで影響することが研究されています。

DHAは、1989年、イギリスの脳科学研究者が「日本の子どものIQが高いのは魚(DHA)を食べているからでは」と発表してから一躍有名になりました。

DHA・EPAの違いとしては、DHAもサラサラ効果は持っているのですが、EPAの方が強力です。 また、EPAは脳まで届きませんが、DHAは脳関門を通過できるので、脳に多く存在します。DHAは「目」にも多く存在し、目の健康維持に役立っていることも確認されています。

EPAは、いわし・さば・あじなどの青魚に多く含まれる「サラサラ」成分で、DPAに変換されることによって、体内の流れを柔らかくしなやかに保ち、健康維持に役立っています。

厚生労働省の食事摂取基準(2010年版)によると、「DHAとEPAは合わせて1g以上が望ましい」と推奨されています。※1

オメガ3は熱に弱いため、加熱調理方法によっては20～50％減少してしまいます。
そのせいもあってか、他の年代より青魚を多く食べている50代以上の方でも、推奨量の1gに届いていないのが現状です。※2

また、左のグラフより年齢が上がるにつれDHA・EPAの摂取量も増えていますが、60代を増えたころから、体内のDHA・EPA量も顕著に減っていきます。

健康維持には、バランスのよい食生活とともに、意識してよくオメガ3を摂取していくことが大切です。

※1 参考:厚生労働省　「厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2010)」
※2 参考:厚生労働省　「主な脂質摂取量の50パーセンタイル値(性及び年齢階級別)：平成17年及び18年国民健康・栄養調査」